昔はお盆の頃になるとよくテレビで心霊写真を紹介するバラエティ番組があって、それが好きでした。
心霊現象にはあまり詳しくないし、実はそれ自体にはさほど興味はありません。
面白いのは写真そのもの。
動きも音もない写真、写っているのは見慣れた人の姿なのに、その位置や色がおかしいだけであれだけ皆に共通した恐怖を呼び起こすことができる、それはビジュアルの力です。
写真を見ながら、どんな所が怖いのか、そしてそれを怖いと感じるのはなぜか、自分が感じる恐怖の種類や原因を探って行くと、人間が世界にどう対処しようとして進化してきたのかにつながっていきます。
恐怖の原因は強烈な違和感。
怪談噺での「あれ?…おかしい」ってやつ。
違和感を避けることで生物は危険を回避して生き延びてきたのでしょう。
違和感は感動の原因にもなります。
慌ただしい日常の中で物事の本質に気づくきっかけにもなって、それが癒しに繋がることもある大切なものです。
表現は、いかに独自の違和感をうまく含ませて注意を引き、言いたいことを伝えるかの勝負でもあります。
デジタルカメラと画像編集ソフトが一般に普及してから、心霊写真ものはすっかり見なくなりました。
ちょっと残念です。
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