※ このブログではURL欄に「安全ではありません」などの表示が出ることがありますが、https接続ではないだけで、問題はありません。
これまで通り安心してご覧ください。

2018年08月09日

辻幹雄さんCD「長崎の鐘 The Bells of Nagasaki」

DSC_5006.jpg

今回もCDジャケットとA4チラシのデザインを担当しました。
CD表紙のタイトルは白。
祈りの色です。
そして若干見えにくいです。
祈りの心は見失いやすいので、意識して探し出し、見つめてほしいという願いを込めてました。


永井隆氏の長詩「長崎の鐘」。

永井隆氏は長崎医科大学(現 長崎大学医学部)の医学博士で、長崎に原爆が投下された際、自らも被爆しながら救護活動を行い、白血病が悪化してからは寝たきりの生活の中で執筆活動を続けました。

博士の残した147行もの長詩「長崎の鐘」は、美しい長崎の姿と突然の原爆の光景、そしてそれらを乗り越えて生き続ける人々の姿を描き、最後に、すべてを受け止め、穏やかに生きていくための祈りで締めくくられています。

この作品に、11弦ギターの辻幹雄さんが曲をつけ、音楽と朗読の作品にされました。
全国各地で、それぞれ現地の方が朗読を担当されて演奏されています。
その中から大分の伊藤彩栞さんの朗読でCD化されました。

詩の一節をご紹介します。

こころ静かに 聴けば
青雲の上より
おごそかに のたもう 声あり
「うらみあらば これをゆるせ」
「なんじら 相い愛せよ」

これぞ 永遠平和のおきて
人類よ
おきてをまもれ

鐘は鳴るなり
原子野ゆ
ああ
長崎の鐘は
鳴り渡るなり

  (長詩「長崎の鐘」より)



「うらみあらば これをゆるせ」

これがどれほど難しいか。
恨みは、愛情や向上心、自尊心と表裏一体で分けられないものです。
それでも、いつも完璧にはできなくても、誰かが時折思い出して道を修正する程度でも、争いの連鎖を断ち切る一助にはなるのではないか。
そんな人類へのかすかな希望を感じながら、デザインしました。
posted by 透子 at 19:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン制作
↑PageTop
◇ このサイト内の画像・文章などの無断転載・無断複写はご遠慮下さい ◇ Copyright © 岸 透子 ALL Rights Reserved