
この絵は山口市内の小高い山、七尾山(ななおやま)とその麓の空き地。こういう雑草だらけの空き地が多くて、近所でもいつも見ている風景です。空き地大好き(´∀`*)
オレンジ色の花はナガミヒナゲシというケシの仲間で、姿も好きだし、その生い立ち(?)にも思いがあって薔薇に次いでよく描いている気がします。
ナガミヒナゲシは5月頃、空き地や道端で丸い花を咲かせます。
個展の時、来てくださった方と
「あ、これうちの駐車場に咲いてた」
「職場の駐車場にも」
「さっきそこで見た」
「こういう名前なんだ〜」
と毎回盛り上がってます。
私の見る限り、アスファルトやコンクリートの隙間ではよく伸びていますが、土壌の豊かな空き地では他の草との競争の中、ほそぼそとやっと生き続けている感じ。
元は地中海原産で、風や虫や人間を利用して旅してきたそうです。
私たち人類はアフリカ原産といわれています。
お互い長い旅をしてきた同士ですね。
はるかな太古にそれぞれの種が生まれてからずっと、それぞれに旅を続けてきて、今はこの片田舎で共に生きている。そう思うと、自分の人生をはるかに超える長い時間と距離に想いを馳せられて心が広がります。
日本に入ってきたのが最近なので外来種として駆除すべきと考える人もいるらしいですが、私はそれには疑問を感じます。
私たちを含めすべての生物は、発生以来ずっと同じように進化しながら移動し続けていて、今もそれは続いています。何年何月何曜日からはダメとか線は引けません。
人の考え方はほんの百年で劇的に変わるもの。
人間には自然を完全に理解して管理することなどできません。
自分が世界のすべてを分かっていると思い込まず、正義感に捕らわれず、ただ長い歴史と広い世界を眺めて受け止めていればいいんです。
第59回全展
2023年9月9日(土) - 17日(日)
9:30〜17:30 (入場〜17:00)
※初日13:00〜/最終日14:00 (入場〜13:30)
東京都美術館2階第2展示室